ドミニオンでビットコインETFが選択可能に—制度とリスクの整理—

コラム

こんにちは。ブレインシードオフショア研究所の開田晋作です。

近年、SNSやセミナー、紹介者経由などを通じて急速に名前が広がっているオフショア金融商品のひとつに、Dominion Capital Strategies(以下、ドミニオン)があります。ドミニオンは月額150ドルから積み立てを始められる気軽さと、他オフショア金融商品に比べ圧倒的に安い手数料から、近年契約者数が増加している日本人に人気の信託会社です。

今回、そんなドミニオンに注目すべきファンドが新たに登場したので、まずはドミニオンの基本情報を復習しましょう。

当所は、日本国内で数少ないオフショア金融商品の契約手続きに特化した行政書士の在籍する研究所です。オフショア投資に関するご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。


  • 正式名称: Dominion Capital Strategies Limited
  • 設立年: 2004年
  • 本社所在地: ガーンジー島(Guernsey)
  • 事業内容: オフショア積立型(あるいは一括型)投資商品の提供
  • 日本展開開始: 2020年以降、IFAや個人紹介者を通じてマーケット開放

この「ドミニオン・キャピタル・ストラテジーズ社」は、イギリス海峡に位置する王室属領のひとつ、ガーンジー島(Guernsey)に本社を置く資産運用会社です。もともとはファンドの設計・運用を主な事業としてスタートした同社は、その後オフショア投資商品の提供へと事業領域を広げ、現在はシンプルな手数料構造の積立プランや一括型投資商品の販売をグローバルに展開しています。

ガーンジー島は、ケイマン諸島やマン島と並んで「オフショア金融センター」として世界的に知られており、信託制度や保険法が独立して整備されているのが特徴です。現在も多くの海外投資企業や富裕層向け金融サービス業者が集まっています。ドミニオンも、そうした環境を活かして柔軟な商品設計・国際展開を進めており、その一環として2020年から日本市場への販売をスタートしました。国内での認知度はまだそれほど高くはありませんが、海外IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)や個人紹介者を通じて、近年急激に契約者数を増やしています。

※ドミニオンの詳細については、こちらの記事をご参照ください

ドミニオンが日本市場でのシェアを伸ばしている要因が、業界内でも際立っている「手数料の安さ」と「PIP(Protected Investment Portfolio)という可変型の資本保護アドオンを選べる」という点です。

ドミニオンの手数料体系は、契約初期に大きなコストを差し引く従来型の商品と比べて、運用残高に対する年間の管理手数料が相対的に低く設定されています。これにより「積立の初期段階から資産が目減りしにくい」という特徴があり、長期運用を前提とする契約者にとっては一つのメリットとされています。

また、PIP(Protected Investment Portfolio)は、運用資産の過去最高到達額の80%を基準に「保護ライン」を設定できる仕組みです。市場が上昇した場合にはこの基準も引き上がり、下落局面では基準値を下回らないよう調整されます。「元本保証」とは異なり完全にリスクを排除するものではありませんが、急激な下落時の資産保全を補助する設計として注目されています。

こうした柔軟性とコスト面での優位性により、ドミニオンは日本国内にとどまらず、韓国、タイ、フィリピン、ブラジル、ウルグアイなどアジア諸国や中南米を中心に販売を拡大しています。

こうした特徴を持つドミニオンに、今回新しいファンドとして「ビットコインETF」が追加されました。暗号資産の存在感が増す中での動きだけに、業界でもさまざまな意見が出ています。ここからは、その内容を詳しく見ていきましょう。

ビットコインETFとは、ビットコインの値動きに連動する上場投資信託のことです。これは株式や債券のETFと同様に証券取引所で売買される純然たる金融商品であり、投資家はビットコインを直接持たなくても、その値動きに投資できるのが特徴です。

今回ドミニオンに追加されたのは、ブラックロックの「iシェアーズ・ビットコイン・トラストETF(IBIT)」で、世界最大のビットコイン上場投資信託として有名なファンドです。米国証券取引委員会(SEC)が2024年に承認したばかりの「現物型ビットコインETF」の一つで、実際にビットコインを裏付け資産として保有しています。ここでいうビットコイン保有者はドミニオンや投資家本人ではなく、ETFを運営する信託であり、その管理はカストディアン(専門の保管機関)によって行われており、盗難や紛失の恐れがなく、安全にビットコインに投資ができるファンドです。

従来の暗号資産投資は、自身で開設した取引所を通じてビットコインを購入し、自分のウォレットの「鍵」(秘密鍵)を自分で管理する必要がありました。この鍵を失えば資産も失ってしまうリスクがあり、不正アクセスによる盗難の危険性も常に存在します。暗号資産の不正アクセスの報道が度々世間でも話題になっている事から、依然として、危険性をはらんだ投資手法と言えるでしょう。
ビットコインETFの場合は、暗号資産を直接保有せず、証券という形で投資できるため、複雑な管理やセキュリティ上の不安を軽減できます。

ビットコインETFは承認直後から世界的に大きな注目を集め、現在では10兆円以上の資金が市場に流入しています。これまで「一部の投資家のもの」だった暗号資産市場に、機関投資家や一般投資家が参入しやすくなったという点で、金融業界にとっても非常に大きな変化といえます。

ただし、日本の証券市場では2025年9月時点で現物型のビットコインETFはまだ購入できません。国内では暗号資産取引所を通じた現物取引暗号資産関連株式ファンドはあっても、米国のようなETFは導入されていません。そのため、海外の投資プラットフォームを通じてアクセスできるという点は、一部の投資家にとって非常に魅力的に映るものだと想像できます。


ドミニオンは、株式や債券などの伝統的なファンドに加え、ETFを自由に組み合わせて運用できる仕組みを提供してきました。そこに米国で承認された現物型ビットコインETF(ブラックロックのIBIT)が加わったことは、オフショア金融商品として大きな転換点といえます。

これまで暗号資産は「値動きが激しくリスクが大きい」とされ、一部の投資家しか扱わない存在でした。今回の追加によって、暗号資産を従来型の金融商品と同じ口座で管理できる環境が整ったことは、多くの投資家にとって、利便性向上につながります。

さらに注目されるのが、PIP(Protected Investment Portfolio)という資本保護オプションです。これは運用資産が到達した過去最高額の80%を下限としてロックインする仕組みで、相場が上昇すれば基準値も引き上げられていきます。

ビットコインETFが良好な成果を上げた局面でPIPに切り替えれば、利益水準の一定割合を守りながら将来の下落に備えることが可能となります。従来「利益を出してもその後の暴落で帳消しになる」といった暗号資産特有の課題に対し、一定の対策を講じられる点は新しい魅力です。

こうした仕組みは投資家心理を刺激するため、契約者数が一気に増える可能性もあります。特に紹介者にとっては「成長性の高い暗号資産」と「資本保護オプション」を組み合わせた提案は訴求力が強く、今後の営業トークの目玉となることが予想されます。

もっとも、投資商品の人気が急上昇するときこそ、冷静に仕組みを見極める必要があります。

当所は、日本国内で数少ないオフショア金融商品の契約手続きに特化した行政書士の在籍する研究所です。オフショア投資に関するご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。


まず押さえるべきは、ビットコインのボラティリティが依然として非常に大きいという点です。
ボラティリティとは、資産価格がどの程度大きく変動するかを示す尺度で、数値が高いほど値動きが激しいことを意味します。

ビットコインは短期間で20〜30%もの値動きを見せることがあり、株式や債券と比べても突出して変動幅が大きい資産です。ETFという形をとっても、その裏付けは現物のビットコインである以上、このリスクを避けることはできません。

PIPは資産保護の仕組みとして注目されていますが、決して万能ではありません

  • 過去最高値の80%を守る仕組みなので、つけるタイミングを逸すれば下落は起こり得る
  • 保護機能を利用するには別途コスト(時価総額の1%/年)がかかり、長期的な運用成績に影響を及ぼす

こうした制約を理解せずに「自分は守られているから安心」と考えるのは危険です。

今後、紹介者の中には「暗号資産でも安心」「資産が守られるから安全」といった過度に前向きな説明をするケースが出てくるでしょう。しかし、投資の世界に「絶対安全」や「損をしない仕組み」は存在しません。そうした表現を鵜呑みにすると、期待と現実のギャップで失望や損失を招く可能性があります。

暗号資産やその関連商品は、各国の規制や制度改正の影響を強く受けやすいのも特徴です。米国市場で承認されたETFであっても、将来の規制強化や制度変更によって運用環境が大きく変わるリスクがあります。その影響はオフショア金融商品を通じた日本人投資家にも及ぶ可能性があります。


日本国内で金融商品(株式・投資信託・保険商品など)を販売するためには、原則として金融商品取引法や保険業法などに基づく登録や特定の免許を取得する必要があります。しかし、オフショア金融商品は海外の保険会社や信託会社等が提供しているため、国内の法規制を回避しやすい面があり、一部の業者が無登録のまま勧誘行為を行っているのが実態です。無登録業者からオフショア金融商品を契約すると、以下の点で契約者に不利益がもたらされます。

  • 投資家保護の枠組みが適用されない:無登録業者との取引で何かトラブルが起こっても、金融庁や証券取引等監視委員会(SESC)が設ける救済制度や行政的な保護を受けられない可能性が高いです。
  • 不正や詐欺行為に発展しやすい:手数料率や解約条件などの説明が曖昧で、契約者に著しく不利な条件を押し付ける事例が報告されています。裁判所も国外の業者に対する法的拘束力は実質有しません。
  • 長期の契約のサポートが受けられない:オフショア投資の特徴である長期契約の商品において、無登録業者は簡単に連絡を絶ち、簡単に消息不明になります。当事務所に相談にこられるお客様も9割9分無登録業者からの契約です。彼らから契約をした場合、長期間においての契約サポートは望めません。ドミニオンも例外ではなく、ほとんどが無登録業者からの契約になっているため、販路に構造的な矛盾を抱えています。ドミニオンを契約する場合、「もし何かあっても、国の保護支援は受けられず、永続的な無登録業者からのサポートもない」と考え、それを受忍する自身の覚悟が求められます。

金融庁は、公式ウェブサイトや各種広報を通じて、無登録の海外保険商品販売に対する注意喚起を何度も発信しています。たとえば、証券取引等監視委員会(SESC)からのメッセージ 2021年1月25日では、

「無登録業者による勧誘行為は金融商品取引法に違反する可能性が高く、トラブルが生じても投資家保護制度の対象外となる」

と明記されています。さらに、過去にはオフショア保険商品を販売していた無登録業者が実際に行政処分を受け、事業停止や罰金を科されたケースもあります。顧客保護という観点からも、無登録業者からの契約は絶対に避けたいところです。

※無登録業者からオフショア金融商品の勧誘行為(商品のプレゼンテーションを含む)を受けた場合、直ぐに金融庁に通報

  1. 過剰な高利回りの宣伝:「年利10%以上は当たり前」「日本より遥かに優れた運用」など、実態よりも極端に有利な数字を提示して加入を煽る。
  2. IFAや海外法人の名義を借りた代理販売:正規のIFAや海外法人の資料を持参し、あたかも正規代理店であるかのように装う。しかし、実際には日本国内での登録がされておらず、法的な権限を持たないケースがほとんです。ドミニオン社から認められた正規のエージェントです、と自己紹介を行っても、日本国内で正規のライセンスを有している金融商品の販売業者とは言えません。ドミニオン社は簡単にIFA登録ができてしまうので、一見すると身分のある人間に見えますが、重要なのは国内の販売ライセンスを所有しているか否かで、金融庁に登録されいない個人・企業は全て無登録業者です。
  3. 解約条件や手数料体系を隠す:オフショア投資は初期解約ペナルティや複雑な管理費がある場合が多いが、それを契約者に十分説明せず契約を急がせる。ただし、ドミニオンに関しては比較的緩やかなペナルティになっています。
  1. 金融庁の登録名簿で確認する
    金融商品取引業者として登録されているか、あるいは保険代理店として許可を得ているかを、金融庁ウェブサイトの登録名簿でチェックできます。
  2. 手数料体系の透明性
    きちんとした業者なら、各種フィー(ポリシーフィー、ファンド手数料、IFA報酬など)を契約前に明示します。曖昧な回答や「契約後に説明します」という態度は危険信号です。特にIFA報酬は省力されがちなので必ず確認するようにしましょう。IFA報酬についての理解がなかったり、「IFA報酬はありません」という業者は理解度の低い業者なので信用してはいけません。
  3. 無登録業者の無自覚さの度合いを認識する
    正規業者は契約者からの質問に対して誠実に回答し、リスクやデメリットも率直に伝えます。反対に、都合の悪い情報をひたすら隠そうとしたり、論破してくる業者は疑ってかかるべきです。ドミニオンの場合、商品説明を行ってくる人間のほとんどは無登録業者です。その違法性を頑なに否定したり、正しく認識していない人からの契約は絶対に避けるべきです。どのような理屈を並べても「金融庁に登録されていない会社(あるいは個人)が海外の金融商品の個別具体的な説明を行い、契約を促そうとしている」違法性に変わりはありません。
  • トラブル時の泣き寝入り:詐欺的行為や不当な手数料の請求があっても、監督官庁に届け出たところで、無登録業者には本来の営業許可がないため行政措置が取りにくいのが現状です。
  • 運用サポートの欠如:一度契約を結んだ後、連絡が途絶えて運用や解約手続きが実質的に不可能になるケースもあります。ドミニオン社に直接連絡しても、対応が難しい場合があります。
  • 顧客情報の流用や個人情報漏洩:適正な管理体制がない業者に個人情報や資産状況を渡すこと自体、大きなリスクを伴います。メールでクレジットカードの情報を聞き出す業者もいるので、決して素直に教えてはいけません。
  • 喫茶店やカフェでの契約:喫茶店やカフェに呼び出して、その場でオンライン契約を行う業者がいますが、公共のWi-Fiから、クレジット情報を入力したり、オフィスを構えていない無登録業者から契約をすることの危険性をよく認識しましょう。喫茶店やカフェでオフショア金融商品の話を持ち掛けられたら、危険信号です。
  • 他、オフショア金融商品からの切り替え:悪質な業者はオフショア金融商品の既契約者の商品の評判を貶めて解約を促し、「こっちのほうが手数料や運用益がいいから」と他のオフショア金融商品の契約を促します。これは完全に詐欺的な行為です。どのようなオフショア金融商品にも一長一短がありますが、どれも長期積立てが前提であり、短期で積み立てを止めてしまうと、手数料率が相対的に高くなり、手数料負けを起こす可能性が非常に高くなります。また、中途解約の手数料率は高額なケースが多く、ほとんどお金が返ってこないことも珍しくありません。当事務所で安易なオフショア金融商品の解約をオススメしない理由はこれです。無登録業者にはモラルもリテラシーもありません。あるのは自分たちの契約報酬の最大化だけです。

当所は、日本国内で数少ないオフショア金融商品の契約手続きに特化した行政書士の在籍する研究所です。オフショア投資に関するご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。


ドミニオンにビットコインETFが加わったことは、オフショア金融商品の歴史の中でも大きな転換点といえます。これまで暗号資産は一部の投資家だけが直接取引所を通じて触れるものでしたが、今やETFという仕組みを通じて、証券市場と同じルールのもとでポートフォリオに組み込めるようになりました。これは「従来のオフショア商品 × 暗号資産」という新しい組み合わせの幕開けといえ、多くの日本人オフショア投資家の注目を集める事になると思います。

ただし、「暗号資産だから大きく儲かる」という短絡的な考え方は非常に危険です。確かに過去にはビットコイン価格が大幅に上昇した局面がありましたが、その後の暴落で多くの投資家が大きな損失を被ったのも事実です。ETFや資本保護オプションを組み合わせたとしても、ボラティリティや規制リスクを完全に排除することはできません。
つまり、「新しい仕組みが登場した=必ず安心して儲けられる」とは限らないのです。

今回のビットコインETF追加は、投資家にとって魅力的に映る一方で、契約内容・費用・リスクを正しく理解しないまま判断すると危うい結果につながりかねません。特にオフショア商品は日本国内の金融商品と制度が異なるため、資料の読み解きや条件確認を慎重に行う必要があります。

そのため、実際に検討する際は、信頼できる専門家に相談することを強く推奨します。無登録業者や過度に利益を強調する紹介者ではなく、中立的な立場で情報を整理できる専門家に確認することが、長期的に資産を守る第一歩となります。

※ドミニオンの仕組みや特徴については、こちらの記事でも詳しく解説しています

当所は、日本国内で数少ないオフショア金融商品の契約手続きに特化した行政書士の在籍する研究所です。オフショア投資に関するご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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